CINEMA AMIGO開館から続く手仕事の文化。ミンスミートづくり。

昨年に引き続き、今年もAMIGO HOUSEで「ミンスパイ」のもとになる「ミンスミート」づくりが行われました。

ミンスミートと初めて聞く方もきっと多く、「お肉のパイ」?と思う方も多いと思います。
が「ミンスミート」は、お肉は一切入っていません。
ミンスパイとは、イギリスのクリスマスの伝統料理。
材料はドライフルーツ、ナッツ、りんご、レモン、スパイスと牛脂を熟成させてつくります。
(ビーガンの方は牛脂をオリーブオイルに代用するそうです。)

CINEMA AMIGOの館長、長島源のお母様、キャサリンさんが考えたレシピを元に、アミーゴ開館から続くワークショップ。
2020年からは、AMIGO HOUSEに場所を移して行われています。

つくり方はシンプル。
材料を均等な大きさに細かく刻んで混ぜ合わせます。

綺麗な光がハウス中に差し込む中、刻んだ後に柑橘やりんごのアロアのような自然な香りが広がっていました。
講師は、AMIGO KITCHEN小嶋あゆみさん。

毎年使われるりんごは、産のもの。
無農薬なので残った皮も、煮出して紅茶にして味わえます。
材料を混ぜあわせるのは、まるでぐりとぐらに出てきそうな大きなボウル。
みんなで力を合わせて、順番に混ぜていきます。

混ぜ終わったものはそのまま完成ではありません。
冷暗所に1ヶ月おいて発酵させます。
発酵は、日本では調味料などでは当たり前ですが、イギリスではお菓子でも使われていること。
ミンスパイはクリスマスから12夜にかけて1日づつ食べていくと、その年は幸運が訪れるという言い伝えもあるそうです。
食べ物が少なくなる冬のお楽しみとしてお菓子をつくる風習など、どの国でも保存食には昔の知恵が凝縮されているなと、毎年感じます。

日本の文化ではないけれど、11月にこのワークショップがあると、
「いよいよ年末も近づいてきたね」
とアミーゴに来る人の誰がも口にする、今や逗子の伝統行事、手仕事の文化になっている、と言っても過言ではないのでは。

実際にミンスパイになったものを食べてみたのですが、自然の旨味がぎゅっと凝縮されてた、大人の甘さで、とにかくとっても美味しかったです。

12月には、1ヶ月発酵させたミンスミートを使ってミンスパイを焼きました。
そのレポートはまた追って。

スパイスやフルーツ、ナッツの種類は自分流にアレンジできるのも、楽しみの一つ。
クリスマスまでのわくわく期間をますます楽しませてくれる、季節の手仕事。
これからも大切にしていきたいですね。

【文章・写真 山本本友梨恵/編集・大倉曉】